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21-11-11 12:32
韓国特許庁は、人工知能(AI)が自らした発明に対する特許認定方案をより深く検討するために「AI発明専門家協議体」を発足した。
最近AI技術が急速に発展するなか、米国のAI開発者であるスティーブン・テイラー教授は自身のAI(DABUS)が自ら発明をしたと(generated an invention on its own)主張し、韓国を始めとして全世界16ヵ国に特許を出願した。
DABUSの韓国出願は当所にて代理しているが、韓国特許庁は当該特許出願に対して「自然人ではないAIを発明者として記載することは特許法に違反するため、発明者を自然人に修正せよ」という補正要求書を通知した。韓国特許法及び関連判例は自然人のみを発明者として認めており、自然人ではない会社や法人、装置などを発明者として記載することはできないという趣旨である。しかし、韓国特許法は、自然人のみを発明者とすると明示的に規定(prescribe)しておらず、また発明者としてAIを記載(naming)することを明示的に排除(exclude)していないだけでなく、AIが自らした発明(AI-generated invention)に対する特許保護(patent protection)は、特許法第1条の目的、すなわち技術の発展を促進して産業発展に貢献するという目的に符合するものといえることから、特許庁の判断には争いの余地があると思われる。
一方、米国、イギリス、ヨーロッパでも、自然人のみが発明者になり得るという理由によりDABUSを発明者として記載した特許出願は拒絶された。しかし、オーストラリア特許庁の拒絶決定に対し、最近オーストラリア連邦法院では、独特なオーストラリア特許法の規定と柔軟な解釈によりAIを発明者として認める最初の判決を下した。また、最近南アフリカ共和国では、AIに特許を許与している。
このように、AI発明者が国際的なイッシューとして急浮上するにつれて、AIが自らした発明を特許で保護すべきかに焦点を合わせより具体的に検討する必要性が高まっている。そこで韓国特許庁は、AIを発明者として認める否か、AIが自らした発明の所有権は誰が有するのかなどの問題、及びAIが自らした発明はどのように保護すべきかをより多角的に論議するために「AI発明専門家協議体」を発足した。
「AI発明専門家協議体」は、各界各層の多様な意見をまとめるために法制、技術、産業の各分科に区分し、分科ごとに15人程度のAI専門家で構成した。
法制分科は論文発表などAI発明に関し識見の高い教授、判事、弁護士などの法学専門家で構成され、AI発明者の認否とAIが自らした発明の特許権は誰に帰属すべきかなどの法律的争点について論議する計画である。
技術分科はAIを開発している大学研究員専門家、産業分科はAIを商用化している企業の専門家で構成され、AIの技術水準、AIが自ら発明することができるかなどの技術争点とAIが自らした発明の保護が産業に与える影響などについて論議する計画である。
特許庁は、AI発明専門家協議体を通してAI発明に対する多様な専門家の意見を9月までにまとめる予定であり、これに基づき他国に先駆けて迅速にAI発明関連政策を設ける予定であると明らかにした。