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21-11-11 12:45
LGのスマートフォン特許を買い取ったグローバル特許専門企業がサムスン電子を相手取って訴訟を提起した。LG電子のスマートフォン事業からの撤退後、関連特許が市場に出されるとともに、「パテントトロール」によるこのような訴訟が増加するという見通しもある。
業界によれば、アイルランド企業のスクレモジテクノロジー(Scramoge Technology)は2021年4月、米国テキサス西部地方法院にサムスン電子とサムスン電子米国法人を相手取って特許侵害訴訟を提起した。
スクレモジが権利を主張した特許は、LGイノテックから買い取ったスマートフォン無線充電関連技術3件である。特許を無断で使用されたと主張したサムスン製品は、ギャラクシーS21シリーズ、ギャラクシーZフォールド、ギャラクシーZフォールド2 5Gなどサムスン電子が2015年から2021年まで発売したスマートフォン28種である。この会社は、サムスン電子が関連特許を無断で使用した製品を米国で販売し、被害が発生したとして損害賠償請求訴訟も提起した。
「特許専門管理会社(NPE)」であるスクレモジは、世界各国の企業から特許を買い取っては、巨額の賠償金を目当てに他の企業に対し訴訟を提起することで広く知られており、「パテントトロール」とも呼ばれている。
スクレモジの親会社は、特許専門管理企業として知られている「アトランティックIP」である。アトランティックIPは、スクレモジのほかにも、サムスン電子と6,000万ドル規模のOLEDディスプレイ特許侵害訴訟を進めている「ソラスOLED」と「ネオドローン」などのグローバルパテントトロールを子会社としている。
スクレモジは、最近LG電子が携帯電話事業からの撤退を発表する前に、LG電子の子会社であるLGイノテックから100件以上の米国特許を買い取った。LGイノテックは、2019年に無線充電関連事業から撤退した後、特許の売却を推進してきた。スクレモジは、LGイノテックの無線充電技術と関連して特許95件と出願中の特許28件を買い取っているため、今後も類似した訴訟が相次ぐ可能性があるものと予想される。
LG電子は、スマートフォン事業撤退後も、核心モバイル特許と源泉技術などの知的財産権(IP)を内在化させ電装(自動車電気装置)とスマート家電などに活用していく計画だが、それ以外の非核心モバイル特許は整理する可能性がある。
また、LGイノテックは、最近、発光ダイオード(LED)事業に対する生産及び営業を中断し、これにより、車両用照明モジュールなどの自動車LED以外の残りの設備や特許を処分することにしたため、LGの特許が海外の特許専門管理会社に売却される場合、LED特許戦争が発生する可能性もあることが予想される。