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21-08-18 11:54
2021年4月21日から施行されている改正「不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律」(不正競争防止法)によれば、取引過程で提供されたアイデアを無断で使用し、アイデア提供者に損害を与えた場合にも損害額の最大3倍まで賠償する懲罰的損害賠償が適用される。
2019年、他人の営業秘密を故意に侵害した場合、最大3倍まで賠償する懲罰的損害賠償規定が導入されたが、今回の改正により、取引過程で提供された他人の技術的又は営業上のアイデアをその提供の目的に違反して使用する不正競争行為も懲罰的損害賠償の対象に追加されることになった。
また、アイデア奪取行為などの不正競争行為に対する是正勧告に従わなかった場合、違反行為者の人的事項、違反事実と是正勧告内容を官報などに公表することができる法的根拠も設けられた。これまで不正競争行為に対する是正勧告は、これを履行しなくても特別な制裁がなく、効果が不十分であるという指摘があった。今回の改正法の施行により、今後、不正競争行為に対する是正勧告の実効性が大きく向上するものと期待される。
また、不正競争行為の行政調査に対し、当事者が産業財産権紛争調停委員会に紛争調停を申請すれば、行政調査を中止することができ、紛争調停が成立した場合は行政調査を終結できるようにした。これにより、零細事業者や中小・ベンチャー企業間の紛争が早期に解決できるものと予想される。
最後に、不正競争防止及び営業秘密保護のために、特許庁が5年毎の基本計画と毎年の施行計画を策定する法的根拠が設けられ、技術流出の処罰及び損害賠償などの事後救済はもちろん、事前予防活動も強化されるものと期待される。