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22-04-22
有名人の肖像・名前等を無断で使用する行為を不正競争行為として新設する改正「不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律」(以下「不正競争防止法」)が2021年12月7日公布され、2022年6月8日より施行される。
韓流の影響力が拡大し、有名人の肖像・名前等の顧客吸引力が増加するにつれて、これを無断で使用する不法行為が発生しているが、現行法律上明示的な規定がなくその保護は困難だった。憲法、民法に基づいて有名人の肖像・名前等の無断使用行為を一部制裁することができるが、これは肖像・名前等を人格権として保護するものであるため、その保護は精神的被害にとどまる。その結果、有名な運動選手、映画俳優の肖像・名前等を広告等に無断で使用しても、被害者には実際発生した被害よりはるかに少ない金額のみが賠償される等、財産的被害に対しては適切な保護が行われていなかった。
改正された不正競争防止法には、「国内で広く認識され経済的価値を持つ他人の名前、肖像、音声、署名等その他人を識別できる標識を公正な商取引慣行や競争秩序に反する方法で自身の営業のために無断で使用することにより、他人の経済的利益を侵害する行為」が新たな不正競争行為として追加された。これにより、有名人の肖像・名前等を無断使用して経済的被害を被らせた場合、それに対して禁止請求・損害賠償請求等の民事的救済措置及び特許庁の行政調査・是正勧告等の行政的救済措置が可能となる。
今回の法改正により有名人等の投資・努力に対して正当な対価を支払う取引環境が整うことが期待される。