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23-05-11
コロナ19のパンデミック期間中、韓国における商標出願件数は急増した。急激な出願件数の増加により審査未着手の出願が累積し、商標審査処理期間が遅延している。
韓国特許庁によれば、韓国の出願件数はコロナ19が発生した2020年(243,935件)と全世界的にパンデミックとなった2021年(270,421件)に爆発的に増加した。これにより2015年に4.4ヶ月だった審査処理期間が2022年には12ヶ月以上かかっている。また、最近では審査処理期間の遅延にともない、全体商標出願に対する優先審査申請の割合が持続的に高まっている。韓国は2009年から全ての商品とサービスに対し一定要件を満たせば他の出願よりも先に審査を受けることができる優先審査制度を施行している。下記表でわかるように、2019年には3.8%だった優先審査申請率が、2023年2月には13.6%にまで増加している。
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 2月 |
3.8% | 6.0% | 9.1% | 13.2% | 13.6% |
[全体商標出願対比、優先審査申請率]
現在特許庁は、 累積した商標出願を管理するためにさまざまな措置をとっており、その一環として2023年に "サービス商標優先審査課"を新設した。卸·小売業(第35類)及び飲食店業(第43類)と関連して優先審査を申請したすべての商標出願は、このサービス商標優先審査課で審査されることになる。特許庁は、卸·小売業、飲食店業分野は商標権紛争が起こりやすいだけでなく、景気にも敏感に反応するので、迅速に審査結果を提供する必要があると明らかにした。しかし、商標出願件数はその後も継続的に増加し続けているため、‘サービス商標優先審査課’の新設にもかかわらず一般出願の審査遅延は解消されておらず、累積出願件数は今後も増加するものと予想される。
従って、現在商標を使用中または使用予定があり迅速な権利確保が求められる場合には、優先審査を積極的に考慮する必要がある。但し、大韓民国を指定した国際商標登録出願は優先審査の対象とはならない。
このように、韓国においては商標出願件数の増加にともない審査手続が大幅に遅延しており、特許庁はこの問題を解決するための措置をとってはいるが、依然として審査遅延が続いているので、出願人は迅速な権利確保のために、できれば韓国特許庁を通して商標出願を行い、優先審査を申請することが望ましい。