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2024年2月6日に改正された発明振興法では、「使用者の職務発明自動承継制度」と「資料提出命令及び秘密維持命令制度」が新たに導入された。

これまで企業が職務発明を継承する手続を行うためには従業員が当該職務発明を完成した後、これを企業に通知しなければならなかった。そのため、企業は全ての職務発明の通知を受け、継承の要否を決定して従業員に書面で知らせなければならない管理負担があり、企業が職務発明を正式に継承する前に従業員が職務発明を第三者に譲渡した場合、二重譲渡問題が発生する可能性があった。

改正法では、事前予約継承規定がある場合、「使用者の職務発明自動継承制度」が導入され、従業員の職務発明について発明を完成した直後に使用者がこれを継承するようにすることにより、職務発明がより安定的に企業に継承されるよう制度化した。

一方、これまでは職務発明に関する訴訟で訴訟当事者が要求する証拠資料が営業秘密に該当する場合、証拠資料の確保が難しかった。改正発明振興法では、資料提出命令制度を導入し、営業秘密も訴訟判決に必要な場合、法院が証拠資料の提出を命令できるようにした。ただし、この場合であっても証拠資料を訴訟以外の目的で活用できないよう制限する秘密維持命令制度も共に新設された。

職務発明に関する制度 の 改善により、今後、使用者は従業員の職務発明に対するより安定的な継承及び活用ができるようになり、また、職務発明に対して合理的な補償金算定のための証拠資料の確保が可能となり、従業員は職務発明に対して一層強化された権利保護を期待できるようになった。