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24-05-22
特許審判院は、より迅速かつ公正な審判行政サービスを提供するために(1)先端技術分野専門審判部を拡大し、(2)審判参考人制度を導入するなど特許審判制度を改善すると発表した(2024.3.5.)。
(1)二次電池・次世代通信まで専担審判拡大
特許審判院は、企業競争力、経済安保の側面からより迅速かつ正確な紛争解決のため、国家戦略技術に関連した特許紛争に対しては、当該技術に関する理解度が高い専攻者(博士など)、審査・審判経験が豊富な者で構成された専担審判部を運営しているが、昨年10月には半導体、モビリティ分野を専担する特許審判部を導入し、続いて2024年には二次電池及び次世代通信分野にまで専担審判部を拡大する予定だ。
従来 | ➡ | 改善(24年) |
① 半導体専担部、 ② モビリティ専担部運営 | ① 半導体専担部、 ③ 二次電池専担部(3月~) ④ 次世代通信専担部(5月~)運営 |
このような特許審判制度の改善は、半導体技術分野を専担する半導体審査推進団を運営し、半導体、ディスプレイ及び二次電池技術分野の出願を優先審査対象に指定した特許庁の審査段階での政策と連続性があるもので、半導体、モビリティ分野をはじめとする二次電池と次世代通信分野の特許紛争に対して従来よりも専門的かつ正確な審判結果を受けることができるものと期待される。
(2)審判参考人制度の導入
特許の無効審決など特許審判院の審決は審判の当事者だけでなく第三者にまで影響が与えられる大勢的効力がある。そこで、産業界に影響力が与えられる重要な法律的争点については国家機関、公共団体などの外部専門家の意見を聴取できるようにする審判参考人制度を2024年3月から導入した。
審判参考人制度は、産業界に与える影響力の大きい事件において、国家機関や地方自治体、公共団体等からの外部専門家の意見を求める米国の法廷助言者(amicus curiae)制度をモデルにしたものである。
従来、特許審判院は技術的内容について専門的な知識と経験を有する民間技術専門家が特許審判に参加する専門審理委員制度を2021年10月から施行しており、今回新しく導入された審判参考人制度により産業界に与える影響及び関連法律争点に対する専門家の意見を追加で聴取できるようになった。
このような専門審理委員制度、審判参考人制度などの導入により、特許審判における専門性及び審理充実性がより強化されるものと予想され、産業界全般にわたり法的安定性がより一層改善されることが期待される。