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24-05-22
最近韓国では、半導体・ディスプレー・二次電池・バイオなど国家先端戦略産業の技術流出犯罪が重要なイッシューとして浮上している。
韓国国家情報院によると、2003年から2023年7月まで産業技術の海外流出事例は552件に達し、被害規模は100兆ウォン以上と推算される。特に、最近5年間(2019~2023年)の国家核心技術流出件数は96件に達し、その増加傾向も強くなっている。
そこで、産業界では国家次元で技術流出に対する処罰を強化するよう要求してきており、これに応じて行政部・立法部・司法部次元で対策が議論されている。
まず、国会で議論している産業技術の流出防止及び保護に関する法律改正案によると、技術侵害に対する懲罰的損害賠償限度が3倍から5倍へ拡大され、海外技術流出犯罪に対する罰金の上限も15億ウォン以下から65億ウォン以下へ大きく引き上げられる。また、技術流出ブローカーの処罰も可能となり、また、技術を故意に持ち出した故意性のみ認められれば処罰できるように強化される。
一方、司法部では技術流出犯罪に対する量刑基準の強化に乗り出した。2024年3月韓国大法院が発表した量刑基準では、国家核心技術を海外に流出する犯罪に対して最大懲役18年まで宣告できるように量刑基準を新設し、一般の技術流出犯罪の量刑基準も最大懲役15年まで強化した。また、宣告刑量を高める加重因子のうち「秘密維持に特別な義務がある者」に本社職員の他に取引先など関連業者関係者まで追加され、その範囲が拡大された。
最後に、韓国特許庁は立法部や司法部よりも積極的な動きを見せている。国家情報院は最近、産業技術流出に対する防諜活動を強化する目的で特許庁を防諜機関として新規指定した。
これにより、韓国特許庁は、外国などの情報活動を確認、牽制及び遮断する任務を行い、他の関係機関と関連情報を交流し、捜査のために積極的に協力することにした。また、韓国特許庁は、技術警察が技術流出犯罪を捜査しながら蓄積した技術専門性と特許ビッグデータを技術流出防止のための防諜活動に活用する方針だ。
技術流出に 関 連する上述した一連の 対 策に照らしてみると、韓 国 で特許 権 、 営 業秘密などの技術に 対 する保護はさらに 強 化されるものと予想される。