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24-08-29
マイクロLEDは100μm以下のLED素子が個別に直接発光するディスプレイ技術で、LCDやOLEDに比べて薄肉化ができ、素子の光を個別に制御して細密な明暗比を具現することができる。また、マイクロLEDは無機物基盤なので、有機物素材を使用するOLEDとは異なり画質低下やバーンイン(残像)現象がなく、電力消耗量が少なく、寿命が長く、応答速度も速いという長所があり、LCD、OLEDに次ぐ次世代ディスプレイとして注目されている。
市場調査会社であるTrendforceは、マイクロLED市場は2022年の1,400万ドルから2023年には2,700万ドルへ前年比で92%成長したとし、今後2027年には5億8千万ドルにまで成長し、年平均136%の成長率を示すものと予測した。これに対しマイクロLED協会は、ここ数年間マイクロLED分野に数十億ドルが投資されたが、依然として市場は初期段階にあり、マイクロLEDの生産費用が依然として高く、大型ディスプレイよりも超小型マイクロディスプレイ、マイクロLEDスマートウォッチや車両ディスプレイ分野に優先適用されるものと予想した。
マイクロLED技術の特許と関連して、主要国特許庁(IP5)に登録された全世界の特許を分析した結果、2013年から10年間でマイクロLED技術の登録件数は540件から1,045件へと2倍近く増加し、年平均増加率7.6%を記録した。権利者を国籍別にみると、韓国が23.2%(1,567件)で最も多く、次いで、日本20.1%(1,360件)、中国18.0%(1,217件)、米国16.0%(1,080件)、欧州連合11.0%(750件)の順であり、権利者としてはLGイノテック(6.0%, 404件)が1位を占め、サムスン電子(5.7%, 384件)、半導体エネルギー研究所(SEL)(4.7%, 315件)、サムスンディスプレイ(3.6%, 240件)、京東方(BOE)(3.3%, 223件)の順であった。
一方、同期間の年平均増加率において、中国は37.5%と急激な上昇率を示し、次いで、ヨーロッパ連合(10.0%)、台湾(9.9%)、韓国(4.4%)、アメリカ(4.1%)の順であった。これは中国企業がマイクロLED市場を楽観的に展望し、技術開発及び生産設備拡張に速度を上げていることが反映された結果であると思われる。このように中国企業がマイクロLED市場拡大を主導する雰囲気の下で、これを巡る知識財産権確保のための競争が一層激しくなることが予想される。