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24-02-27
産業財産権関連紛争の解決方法としては、民事又は刑事訴訟のような裁判以外にも、仲裁、調停、和解のような裁判外紛争解決方法がある。そのうち調停は、第三者(調停人)が独自に紛争解決のための妥協案を設け、各当事者に受諾を勧告する行為であり、第三者の勧告案に強制力がない点で仲裁とは異なり、また、第三者が介入する点で和解とは区別される。このような調停には法院が関与する民事調停があり、民事調停により調停が成立し、調停調書が作成された場合、確定判決と同一の効力を有する。
韓国特許庁は1995年、「産業財産権紛争調停委員会」を設立し、産業財産権(特許、商標、デザイン、実用新案権)及び職務発明、営業秘密、不正競争行為などの紛争を迅速かつ経済的に解決できるように支援している。産業財産権紛争調停委員会による調停は特別な理由がなければ申請日から約2ヶ月以内に手続きが終了する。その過程は非公開で行われ、別途の申請費用が発生しないため、中小企業と個人の調停申請はますます増加している。特に、2023年には159件の調停申請があり、産業財産権紛争調停委員会設立後最多の件数を記録した。これは2022年(76件)比2倍以上増加した数字だ。
また、ソウル中央地方法院は、産業財産権関連紛争の専門調停機関として特許庁の産業財産権紛争調停委員会を指定して調停を実施することを内容とする業務協約を特許庁と締結し、2023年1月から民事調停を実施している。また、ソウル中央地方法院と共に最も多くの産業財産権関連訴訟を担当している水原地方法院も特許庁と同じ内容の業務協約を締結し、2024年1月から民事調停を実施している。
これにより産業財産権紛争調停委員会は、今後とも産業財産権紛争における主要紛争解決手段として利用されていくことが予想される。